Tシャツの品質表示(洗濯表示)と上手な洗濯方法について
普段Tシャツの洗濯はどうしていますか?お気に入りのTシャツが長持ちする方法などをお伝えします。
AirPriでは自社生産でプリントTシャツを作ってきたノウハウを生かして、低コストで品質の高いオリジナルプリントTシャツを作ることができます。AirPriで作ったTシャツも他のお店で買ったTシャツも、みなさん洗濯の時はどのように洗濯していますか?
ここではTシャツの洗濯のときに役に立つ、品質表示マーク(洗濯表示)の見方と洗濯の方法について詳しくご紹介していきます。
お気に入りのTシャツや思い出のTシャツを、少しでも長持ちさせていただくために大切の内容になっています。
1. 品質表示タグとは?
服などの裏地についている、白いタグは見たことがありますか?だいたい首の後ろ部分か左腰にあります。その箇所の生地の裏側に縫い付けてあり、これを「品質表示タグ」と言います。
これは洗濯の方法などが書いてあるので消費者のためのタグですが、正確には「消費者を守るためのタグ」です。家庭用品品質表示法という法律で義務付けられているのです。
その品質表示タグには、4つのことを必ず記入しなくてはいけません。
①何の繊維でできているのか
②洗濯表示マーク
③取扱注意事項
④製造者名
①〜④の項目を以下で詳しくご紹介していきます。
①何の繊維でできているのか
この部分はこのTシャツが何の繊維でできているのかを記入します。ちゃんと規定で定められている用語を使って表示しています。2種類以上の素材を使っている場合は、配合割合の大きいものから順に%で表示します。
Tシャツの場合、素材は綿とポリエステルという2種類が主流でしたが、近年では「トライブレンド」と言われる3種類のものも多くなってきました。
②洗濯表示マーク
一番目に入るのはこの部分ではないでしょうか。洗濯の方法がマークで表示してあります。このマークは、国で定められている日本工業規格(JIS)でちゃんと決まっておりそれを使って表示します。その表示の順番も決まっています。
「絞り方」と「干し方」は義務ではありませんので省略してもOKになっています。
1. 洗い方(水洗い)
2. 塩素漂白ができるかどうか
3. アイロンの掛け方
4. ドライクリーニング
5. 絞り方(省略可)
6. 干し方(省略可)
1〜6の各項目は、後で一つずつ詳しく説明しています。
③取扱注意事項
この項目は義務付けられてはいませんが、「これは書いておいた方がいい」という内容を製造側が判断して記入する場所です。特に、日本工業規格で決められている洗濯表示マークでは伝えきれない部分を補う形で使われます。
この部分は特記事項がない場合は、何も書いていません。
④製造者名
正式名称を使って「表示者の氏名または名称」を表示します。ここはもし何かあった時のために責任の所在を明らかにする意味で記入します。法人の場合は法人登記されている名称が、個人で作って販売する場合はその個人の名前が書かれています。また連絡先として「住所または電話番号」の記入も必要です。洗濯表示タグではなく別のタグで書かれていることも多いです。
原産国の表示は義務ではないので、あってもなくてもOKです。
2. 各表示の呼び方と意味
上述の各洗濯マークについてここでご紹介していきます。
1. 洗い方(水洗い)
このように数字が書いてある場合は液体の温度を表しています。「その温度よりも低い温度でお願いね」という意味になります。この入れ物は家庭用洗濯機を表しており、「洗濯機で洗えます」という意味を表しています。
容器の下に線が1本書いてあるものは「洗濯機で弱い洗濯ができます」という意味になります。
容器の下に線が2本書いてあるものは「洗濯機で非常に弱い洗濯ができます」という意味になります。
容器に手が入っている表示は「手洗いができます」という意味になります。「手洗い」というのは意味が3つあり、「押し洗い」「振り洗い」「つかみ洗い」ができますという意味になります。
容器にバツが打ってあるものは「家庭での洗濯禁止」という意味になります。
2. 塩素漂白ができるかどうか
これは漂白剤を使う場合の表示を表しています。
三角マーク
このマークは「塩素系及び酸素系の漂白剤を使用して漂白ができる」を表しています。
三角の中に線2本
このマークは「酸素系漂白剤は使用できるが塩素系漂白剤は使用禁止」を表しています。
三角にバツマーク
このマークは「塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止」を表しています。
3. アイロンの掛け方
これはアイロン処理に関する表示を表しています。
アイロンの中に点が3つ
これは「アイロンの底面温度が200℃までならアイロンがけができる」を表しています。
アイロンの中に点が2つ
これは「アイロンの底面温度が150℃までならアイロンがけができる」を表しています。
アイロンの中に点が1つ
これは「アイロンの底面温度が110℃までならアイロンがけができる」を表しています。スチームは禁止です。
アイロンにバツマーク
これは「アイロン処理禁止」を表しています。
アイロンがけをするときに当て布をするかどうかについては、それを表示するマークがありませんので、当て布が必要な場合は洗濯表示マークの下の「取扱注意事項」に書いてあることが多いです。
4. ドライクリーニング
これはアイロン処理に関する表示を表しています。
ドライクリーニングとは、水ではなく油が原料の特殊な溶剤を使用した洗浄方法です。特長は衣類へのダメージを抑えることができる点です。このマークがついているのは、水で洗うと肩が崩れてしまったり、縮んだり色落ちが生じる場合です。
ドライクリーニングのマークの中に書かれているアルファベットは、使用する溶剤を指定しています。
「P」はパークロロエチレンという溶剤を、「F」は石油系溶剤のことを表しています。 下の線は「弱めならOK」という意味を表しています。
パークロロエチレン
石油系溶剤と比べると洗浄力が高い特徴があります。特に油汚れを落とす力が一番強いです。しかし、ビーズ、スパンコール、合成皮革などがついている製品に使用すると傷めてしまいます。
石油系溶剤
油汚れを落とす力は弱いですが、デリケートな素材の衣類の油汚れに適しています。
マルPのマーク
これは「パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる」ことを表しています。
マルPの下に線1本
これは「パークロロエチレン及び石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる」ことを表しています。
マルFマーク
これは「石油系溶剤によるドライクリーニングができる」ことを表しています。
マルFの下に線1本
これは「石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる」ことを表しています。
マルにバツ
これは「ドライクリーニング禁止」を表しています。
このアルファベットがPでもFでもなく「W」の場合は「ウェットクリーニングができる」ことを表しています。いずれのマークも「できる」「弱くならできる」「できない」はPやFと同じです。
5. その他の記号
乾燥機を表す記号
点の数は上限排気温度表で、2つが「80℃」、1つが「60℃」を表しています。
四角の中に丸の中に点が二2つ
これは「タンブラー乾燥(ドラム式)で乾燥ができる(上限排気温度80℃)」ことを表しています。
四角の中に丸の中に点が二1つ
これは「タンブラー乾燥(ドラム式)で低い温度で乾燥ができる(上限排気温度 60℃)」ことを表しています。
四角に丸にバツ
これは「タンブラー乾燥(ドラム式)は禁止」を表しています。
6. 自然乾燥を表す記号
1本線は「脱水後」2本線は「脱水しないまま」を表しています。
四角にたて1本
これは「自然乾燥時、つり干しがいいです」を表しています。
四角にたて2本
これは「自然乾燥時、ぬれつり干しがいいです」を表しています。
四角に横1本
これは「自然乾燥時、ひら干しがいいです」を表しています。
四角に横2本
これは「自然乾燥時、ぬれ平干しがいいです」を表しています。
四角にたて1本に斜線
これは「自然乾燥時、日陰のつり干しがいいです」を表しています。
四角にたて2本に斜線
これは「自然乾燥時、日陰のぬれつり干しがいいです」を表しています。
四角に横1本に斜線
これは「自然乾燥時、日陰のひら干しがいいです」を表しています。
四角に横2本に斜線
これは「自然乾燥時、日陰のぬれ平干しがいいです」を表しています。
3. 蛍光増白剤とは?
蛍光増白剤とは、簡単に言えば「見た目の白さをより白く見せるため」のものです。これは紫外線を蛍光増白剤が吸収することによって、目に見える青白い光に変えるためです。最近では、白さの低下を抑えるために洗濯用洗剤に蛍光増白剤が入っていることがあります。 白さを保ちたい真っ白なワイシャツや衣類は蛍光増白剤入りの洗剤を使用することで白さを長持ちさせることができます。
ただし、布の本来の色を見せたいような衣類の場合は逆効果で、その色を落としてしまうことがあります。まずはその衣類についているタグを確認しましょう。「無蛍光洗濯洗剤」と書かれていたら、蛍光増白剤入りの洗剤は使わない方がいいです。
4. プリント部分の洗い方と干し方
どのTシャツも同じですが、Tシャツのプリント部分は「濡れた状態での摩擦」が一番のダメージになります。つまり洗濯をする時は、以下のことをするとプリントTシャツが長持ちするのでオススメです。大切な1枚は、ぜひ実践していただきたいです。
プリントTシャツを洗うときにすると良いこと
・Tシャツを裏返しにすることでプリント部分の摩擦を軽減する
・洗濯用ネットに入れることで他の洗濯物と一緒に洗ってもプリント部分を保護できる
プリントTシャツを洗うときにしてはいけないこと
・タンブラー乾燥(ドラム式)の禁止
・ドライクリーニングの禁止
・漂白の禁止
・激しい手もみ洗いの禁止
・付けおき洗いの禁止
これらの洗濯方法は、プリント部分が剥がれてしまう可能性や、Tシャツが縮んでしまう可能性があります。また、生地にもプリント部分にも負担が大きくなります。
プリントTシャツのおすすめの洗い方
プリントTシャツに一番いい洗い方は、「優しい手洗い」です。ちょっと面倒ですが、ぬるま湯の中で優しく押すように洗うと汚れを落とすことができます。
プリントTシャツのおすすめの干し方
プリント部分は、「濡れている状態」に一番弱いです。洗濯してからちょっとおいておくと、プリント部分どうしがくっついてしまい剥がれの原因にもなってしまいます。洗濯が終わったら速やかに干しましょう。
干干す時はハンガーにかけて干しますが、ハンガーを首から入れると首回りが伸びてヨレヨレになってしまいますので、Tシャツの下の裾(すそ)の部分からハンガーを入れて上に持っていく形でハンガーをセットしましょう。
また、紫外線によるダメージもありますので、できれば「陰干し」をすると色褪せを防ぐことができます。
5. アイロン掛けについて
Tシャツの原料には、多かれ少なかれ綿が使われています。干すときに気をつけないと、綿はシワができやすい素材です。そこでアイロンの登場ですが、プリントTシャツにアイロンをかける場合は、そのプリント方法によってアイロンの掛け方が違ってきます。
アイロンはかけてもいいの?
基本的には「アイロンはあまり掛けない方が良い」が答えになります。ただ、お気に入りのTシャツにシワが・・・という、どうしてもの場合には「当て布をして」アイロンを軽くかけましょう。
または、Tシャツの品質表示タグに書いてあればアイロンもできますが、その際はアイロンの温度に注意しましょう。布生地は摩擦や熱で、Tシャツの表面の繊維が潰れてテカテカになってしまう「アタリ」が起こってしまいます。プリント部分はアイロンの熱で傷み、剥がれやすくなります。
昇華転写プリントTシャツやタオルはアイロン禁止!
発色がキレイに出る昇華転写印刷は、ポリエステル100%の生地に、熱をかけてデザインを転写させるプリント方法です。簡単にいうとアイロン転写と同じ原理になります。この昇華転写プリントにアイロンをかけてしまうと、インクが再び気化してしまい、色落ちや他の服への色移りの原因になります。アイロンや乾燥機など、熱を加えるものは避けましょう。
AirPriでは、版代がない分コストを抑えられて、フルカラー印刷ができ、色が濃いTシャツにも印刷できるため、「インクジェット印刷」を採用しています。そのため昇華転写のようにアイロンがけは不可ではないですが、できるだけ干す際にシワに気をつけて干していただくといいです。
6. まとめ
ここまでTシャツの品質表示タグについてご紹介してきました。ちゃんとやろうとすると結構大変だなと感じるかもしれませんが、お気に入りのTシャツを守る時はここで書かれている洗濯方法をして頂くと、そのTシャツを長くキレイに着ることができます。
また、この洗濯マークは日本独自のマークです。海外から取り寄せたTシャツとは洗濯マークが異なるので注意が必要です。
いずれにしても、AirPriはもともと印刷工場というメリットを生かして、自社生産、低コストで、なるべく長持ちするように厚めのオンスでTシャツを取りそろえております。何かイベントや家族でおそろいのTシャツを作りたい!と思ったら是非AirPriからTシャツを作ってみてくださいね!
Tシャツの単位や着こなし方などについては「Tシャツの基礎知識」を、AirPriではどんなTシャツを扱っているのかを知りたい方は、「AirPriのTシャツについて」を、Tシャツの着心地に関わる糸や編み方の種類については「Tシャツに使用される素材について」を参考にしてみてください。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。