Tシャツ生地の素材を解説!素材や生地でTシャツの着心地も変わる!
Tシャツを構成する原料素材や、糸、編み方などの生地などについてご紹介します。
夏に近づくにつれて、着る機会が増えるTシャツ。夏を中心に一年中着られるTシャツは定番アイテムですよね。ただ一口にTシャツといっても、素材や生地の編み方によってサラッとしていたり、風通しが良かったりと違う肌触りが楽しめるのもTシャツの醍醐味です。今回は、Tシャツの素材や生地の種類をご紹介します。意外とたくさんの種類があって、着心地が違うので、着る時のシチュエーションや自分好みの肌触りを見つけるヒントになればと思います。
1. Tシャツ生地の素材は大きく3つ!
まずはTシャツの原料となるTシャツ生地の素材からご紹介していきます。
Tシャツ生地の素材ならやっぱり綿(めん)!
Tシャツの生地として最も代表的な素材といえば、綿(めん)の素材です。Tシャツを着たとき、綿はとても肌触りがよく、吸水性や耐久性に加え、冬に来ても保温性があるので、Tシャツをはじめタオルや下着など、多くのアイテムに幅広く使用されています。
また天然素材で別名コットンともいう綿は、合成繊維のアレルギーの方の強い味方ですよね。
Tシャツの生地素材として使用される綿のデメリットは、速乾性に欠けるので汗を吸収しても乾きにくい点や、洗濯によってシワになりやすい点です。
最近増えているTシャツ生地の素材はポリエステル生地!
Tシャツの速乾性に欠ける綿のデメリットを補えるが、ポリエステルの生地素材です。ポリエステル素材は、石油をもとに作られている化学繊維ですが、そのメリットの多さからTシャツなどのアパレル業界でも広く使われています。ポリエステル素材は、抜群の耐久性や伸び縮みにも強いだけでなく、素材自体の軽さ、シワになりにくい、高い形状記憶性などからお手入れも簡単です。また、速乾性もあるので、ポリエステル素材を使ったドライTシャツはスポーツなどの汗をかくシーンに最適です。ただ、化学繊維ゆえのポリエステル素材のTシャツ生地のデメリットは、静電気を帯びやすい点です。乾燥した冬には着たくないという方も多い素材です。
Tシャツ生地のいいとこ取りなら混紡素材(混合素材)!
今ご紹介した綿とポリエステルの長所を両方併せ持っているのが、混紡素材です。この混紡素材は、綿とポリエステルを両方使って生地を作ります。たとえば、Tシャツにすれば、保温性も高く、吸水性も高い、おまけに速乾性もあって着るとサラッとした着心地です。
両方の素材の配合割合は、Tシャツのタグに書いてありますが、綿の割合が多ければ、肌触りが良く吸水性が高いなどのメリットがあります。ポリエステルの配合が高ければ、シワになりにくかったり、速乾性が高くなります。Tシャツを買う前に、品質表示タグを確認すると、使うシーンにあったTシャツを選ぶことができます。
2. 生地素材である綿糸の撚り方で変わるTシャツの着心地
第1章でご紹介した綿の糸素材を、撚って糸にする工程です。この工程には2種類あります。
オープンエンド糸
綿の糸を撚っていくときに、わた菓子を作る時のように空気の流れの力を使って、糸を撚って作られたものをオープンエンド糸といいます。糸の太さは不均一な状態になります。こうして撚られた糸には空気が多く含まれているので、吸湿性、速乾性が向上したTシャツの生地素材になります。Tシャツの本場アメリカでは、このオープンエンド糸が主流で、ゴワっとした着心地が好まれます。
リングスパン糸
このリングスパンという工程は、神社のしめ縄を作る原理で、糸を引っ張りながら撚って作られる糸で、表面が滑らかで強度のある糸に仕上がります。日本にあるほとんどのTシャツの綿生地の素材は、リングスパン糸を使用しています。リングスパン糸にはまだ続きがあり、ここから3種類の糸に仕上げていきます。続きは第3章でご紹介します。
3. Tシャツ生地素材の最小単位!できる糸の種類は3つ!
Tシャツの生地素材を構成する最小単位は糸です。ここでは、第2章でご紹介した綿の糸について、着心地にも影響する糸の作り方をご紹介します。
カード糸
Tシャツなどの生地素材でも、よく使われているのがこのカード糸です。繊維を撚って糸を作る段階で、余計な繊維を取り除く作業(カーディング工程)で、短い繊維を5%ほど取り除きます。多少毛羽立っている糸になりますが、早く作れるので比較的安い糸になりTシャツにしたときの価格も抑えることができます。
コーマ糸
一番上質な糸として作られるのが、このコーマ糸です。繊維を撚って糸を作る段階で、繊維の余分な糸を約20%ほど取り除きます。カード糸よりも工程が多いので、上質な糸としてランク付けされます。このコーマ糸は、毛羽立ちが少なくツヤがあり、やわらかい高品質な糸に仕上がります。洗濯してもTシャツ生地の表面をキレイな状態で保つことができます。
セミコーマ糸
カード糸とコーマ糸の中間ランクに位置するのがセミコーマ糸です。カード糸のカーディング工程(余分な糸を取り除く作業)をした上で、コーマ糸のコーミング工程(糸に櫛をかける)を少しすることでできる糸です。カード糸よりもキレイな糸で、かつコーマ糸よりも価格を抑えた糸になります。このセミコーマ糸は国際基準ではなく、日本と中国の間での独自の基準として設けられています。
Tシャツは生地素材の糸でも価格が変わる
今ご紹介したように、Tシャツ生地の最小素材である糸を1つとっても、その作り方には差があります。コーマ糸で作られたTシャツは品質が良く、高級Tシャツ用の生地素材として作られます。日本にあるほとんどのTシャツはカード糸かセミコーマ糸で作られている生地素材になります。
Tシャツの生地素材に使用される糸1つとっても、価格に影響することをお分かりいただけたと思います。
4. Tシャツなどの着心地に直結!生地の編み方の種類5選
こうして作られた糸を使って、いよいよTシャツの生地を作ります。生地の編み方にもいくつか種類があります。
一般的なTシャツ生地素材としてよく使われる編み方(天竺編み)
Tシャツに向いている編み方の1つが、この天竺編みです。別名「平編み」や「メリヤス編み」とも呼ばれます。この編み方は、表面が細かいV字型の模様になり裏面は半円の網目になるので、裏表が判別しやすい特徴があります。天竺編みで編まれたTシャツは、生地が軽く横方向の伸縮性が高いため、着脱もしやすいです。また、綿の肌触りを感じられる編み方でもあります。耐久性がある素材になるので、シワにも強く洗濯してもシワや型崩れになりにくい特長もあります。
アンダーシャツ生地素材としてよく使われる編み方(平織り)
縦糸と横糸を交互に交差させて生地をつくる編み方を平織りといいます。すべての糸を縦と横に織り込んでいくので、とても丈夫な生地素材で、摩擦にも強く、透けにくいという特長もあります。最も一般的な編み方の1つで、世界中で応用されている編み方です。ただ、厚みがある生地素材は作りにくい編み方です。しっかりとした生地素材になるので、生地の肌触りが硬めになりやすいデメリットもあります。
スポーツウェア生地素材としてよく使われる編み方(鹿の子編み)
横編みで表目と裏目を交互に繰り返していくことで、でこぼことした表面を作れる編み方のことを鹿の子(かのこ)編みといいます。生地の表面に凹凸があるので、通気性がよくさらっとした着心地で、ポロシャツなどによく使われている編み方です。裏目も表目も同じ模様になり夏でも冬でも使いやすい生地です。
スウェット生地素材としてよく使われる編み方(起毛編み)
地糸よりも太い甘撚糸と呼ばれる糸を裏糸に添えながら、何目か飛ばして編み、かつその甘撚糸を浮かせてパイル状(タオル生地のような糸を立たせる方法)にした編み方のことを起毛編みといいます。秋口から着られるスウェットの生地は、裏返すと起毛状に編まれています。起毛状になっていることで吸水性や保温性が高く秋冬に着る服の裏生地として親しまれています。
Tシャツなどの服の厚みには単位がある!?
糸の作り方から編み方までご紹介しましたが、素材をどのように生地にするのかによって、Tシャツやパーカーなどの厚みが変わります。実はこの厚みには単位があることをご存じですか?厚みについて知っていると、インターネットでTシャツやパーカーを購入する際のヒントにもなります。詳しくは「Tシャツでも使われる単位!「oz」ってなに?」という記事でご紹介しています。
5. Tシャツの生地素材のほかにもおもしろい記事をどうぞ!
ここまで綿を中心に、Tシャツやその他の服の糸、生地素材、編み方などをお伝えしてきましたが、ほかにもおもしろい記事があります!
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6. まとめ(Tシャツ生地の素材を解説!素材や生地でTシャツの着心地も変わる!)
今回は、Tシャツに使用される糸の原料、糸の種類、またTシャツを構成する生地素材の編み方の種類などについてご紹介してきました。特に、Tシャツの生地素材として代表的な綿については、糸1本の作り方からいろいろな種類があります。また、Tシャツの素材である生地の編み方1つで着心地も変わります。アプリ内で扱っているTシャツの生地素材は、綿を使った着心地の良いTシャツです。ぜひ1度着てみてくださいね。この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。