印刷に必要な白インクってなに?
オリジナルグッズ作成・印刷の時に欠かせない白インクについてご紹介します。
印刷業界には欠かせないインク。画面上で作ったRGBカラーのデザインを、印刷用のCMYKカラーという色に変えて、少しづつ混ぜながら色々な色を表現しています。印刷に使う色の中でも、一番使うのは「白インク」です。白インクとは、文字通り白いインクのことですが、なぜこの白インクが印刷業界で一番多用される色なのでしょうか?今回はこの白インクについて掘り下げてみます。
この白インクについて知っていると、オリジナル印刷の時に自分のイメージ通りの印刷により近づくことができます。それでは印刷の世界を少し覗いてみましょう。
1. 白インクってなに?
印刷では、なぜ白インクを一番多用するのでしょうか?白インクがあるかないかで、印刷表現の幅が半分ほどになってしまうといっても過言ではありません。白インクについてご紹介します。
白インクとは
たとえばTシャツに印刷する場合、白いTシャツとカラーTシャツに印刷する2パターンがあります。白い生地のTシャツに印刷する場合は、そのまま印刷してもデザインが意図した発色になりますが、カラーTシャツの場合はTシャツの色がデザインに影響してしまいデザインが意図した色にならないため、一度デザインの下のみを白くする必要があります。これが白インクです。
つまり、グッズとデザインの間に、デザインの形をした白インクを下地として先に印刷することで、どんな色のグッズに印刷してもグッズの色をデザインの色に影響させないために行うのが白インクというわけです。
デザインの濃さに応じて
これは余談ですが、AirPriではデザインに使用している色によって白インクの濃さを変えています。少しでも白インクの使う量を抑えることで、価格を抑えています。具体的には白に近い色のデザイン部分には白インクは薄めに、逆に黒や紫などの白から遠い色を使用しているデザイン部分には白インクを濃く印刷しています。
2. 白インクありとなしの比較
先ほど、白インクを使うかどうかで、印刷の幅が倍くらい変わると言いましたが、ここでは具体例でご紹介します。
白インクありとなしの比較
下の画像で、左のTシャツは白インクなしで印刷した場合のイメージです。右のTシャツは、同じデザインを白インクありで印刷した場合のイメージです。CMYKカラーの色を最大限表現できているのは、右の「白インクあり」で印刷した場合です。印刷ではこの白インクをデザインの下に印刷することによって、生地やグッズの色の影響を消すことができます。白インクで真っ白いキャンバスにしてから印刷するイメージです。
AirPriでの白インク
AirPriも白以外のグッズへの印刷には白インクを使用しています。また、AirPriはご注文をいただいてから、印刷までの流れをほとんど自動化しています。それによって、デザインの下のみに印刷する白インクも正確なデータを作成することができます。AirPriでの白インクの印刷の様子については「AirPri工場レポート!Tシャツについて」という生地の中でご紹介しています。
白インクなしの表現も
本来白インクが必要なカラーTシャツなどに、あえて白インクを印刷しないという印刷方法もあります。上の画像の左側のTシャツは白インクがないので、デザインはカラーTシャツの色の影響を受けていますが、生地の色味や特徴を生かすことができます。通常の印刷会社では白インクの有無をユーザーが決めて注文しています。
3. 白インクの注意点
白インクについては、AirPri側で自動処理をしているので、ユーザーは考えずにデザインをすることができます。でもデザインの中に白がある場合は要注意です。下の例でご紹介します。
白いTシャツへの印刷
AirPriでは、白いTシャツには白インクは印刷しない上に、デザインの中の白(#ffffff )で表現された部分は白いインクではなく生地の白で表現しています。下の画像のように、同じデザインを白いTシャツとカラーのTシャツに印刷した場合、カラーのTシャツには白インク印刷後デザインを印刷するので色がくっきり発色します。でも白いTシャツへの印刷の場合は、デザイン中央の白(#ffffff)の部分の色がなくなってしまいます。白いTシャツの場合は、白インクを引かない上に、白色のデータのみ印刷されないので注意が必要です。
4. AirPriでの白インク
AirPriでももちろん白インクを使って印刷をしています。その詳細をご紹介します。
AirPriなら超簡単!
AirPriでは、個人の方にももっと簡単に!そして気軽に!デザインができるように設計しています。オリジナルグッズはTシャツ、パーカーをはじめ多様なグッズを取り揃えています。グッズのカラーバリエーションも豊富ですが、白インクはご注文後すべてAirPri側で自動作成しているので、ユーザーの方はデザインだけしていただければOKです。
AirPriで白インクを使うもの使わないもの
ポリ袋、缶バッジ、タオルはもともと白地しかないので、白インクは使用しません。Tシャツとパーカーは生地の色が白の場合は白インクを使用せず、生地色がカラーの場合は白インクを使用して印刷をします。トートバッグは「ナチュラル」というカラー以外は白インクを印刷しています。タトゥーシールはお肌に貼ったときに発色がよくなるように白インクを印刷します。下の図にまとめました。
AirPriでの白インク
第2章で白インクありのTシャツと白インクなしのTシャツをご紹介しましたが、AirPriでは白(とナチュラル)以外のグッズには必ず白インクを印刷してからデザインを印刷します。第2章の画像でいえば、AirPriで作成したグッズの完成形は、右側のようにデザインがはっきりと分かるように印刷をしています。自動的に白インクが作成されるため、白インクなしでの印刷は承っておりませんのでご了承ください。
AirPriならアレがある!
第3章では、白いTシャツへの印刷の場合の白インクの注意点として、デザインの中の真っ白の部分は、白インクではなく生地の白を生かして表現するため、白インクを印刷しない」ということでした。
ただ、AirPriは3Dプレビューでデザインをいつでも確認することができます。この3Dプレビューには、白インク有無の情報も盛り込んであるので、3Dプレビューで拡大して確認したときにあれ?と思ったら一度オリジナルデザインを見直してみるといいかもしれません。
5. まとめ(印刷に必要な白インクってなに?)
今回は印刷に必要な白インクについてご紹介しました。カラーもののグッズに印刷するときは、あらかじめ白インクを印刷することで、デザインがグッズの色の影響を受けず、発色をよくすることができます。ただ、ユーザーの方は白インクについて、特にしなければいけないことはないので、印刷の知識として持っておいていただく程度で大丈夫です。また、白いグッズにデザインをするときは、デザインの中の真っ白い部分はほんの少しだけ色を変えておくのがオススメです。
最後までおよみいただきましてありがとうございました。