洗濯機の窓で遊ぶ女の子

堅牢度とは?

堅牢度って聞いたことありますか?多くの方は聞いたことがないと思いますが、印刷業界では大切な基準です。この記事では、堅牢度についてや、いろいろな種類の堅牢度をご紹介しています。

堅牢度とは?

堅牢度って聞いたことありますか?多くの方は聞いたことがないと思いますが、印刷業界では大切な基準です。この記事では、堅牢度についてや、いろいろな種類の堅牢度をご紹介しています。

洗濯機の窓で遊ぶ女の子

堅牢度とは?

堅牢度ってなに?という疑問から堅牢度の種類などについてご紹介します。

AirPriは、オリジナルTシャツをはじめ、パーカーやトートバッグ、タトゥーシール、缶バッジなどいろいろなものにオリジナルデザインができることで人気のスマホアプリです。ご注文いただいたことがある方は自分のグッズがお手元に届いて、ご使用になっていると思いますが、Tシャツなら着るたびに、タオルなら使った後に洗濯をされると思います。 「洗濯したらTシャツの色褪せは大丈夫?」や「印刷がすぐに剥がれたりしないの?」と思う方もいるかもしれません。そのような時のための指標となるのが堅牢度です。この記事では、堅牢度についてと堅牢度の種類に詳しくご紹介していきます。

Tシャツの生地の色がだんだん色落ちしていくイメージ

1. 繰り返し使用することのダメージ

オリジナルグッズをたくさん使っているといろいろなダメージが蓄積されます。どの生地でもこれは避けて通ることはできません。

日常使いの中で

皆さんが今着ている服や持っている服、たくさんありますよね。例えば、それを着て食事をしている時にTシャツにこぼしてしまった!ということや、汗によるダメージ、洗濯によるダメージ、太陽光によるダメージなど、どんな服でもいろいろなダメージが蓄積されていきます。 その結果、色が薄くなったりシミになってしまいます。

Tシャツやパーカーを着ていて生地にこぼしてしまうイメージ

変退色

経年劣化や紫外線、汗、洗濯などによって、生地の色が薄くなってしまう現象のことを「変退色」といいます。この言葉は「変色」と「退色」を合わせた言葉です。 具体的にいうと、様々な外的要因や経年劣化によって、色が変質してしまうことで、もともとの色の鮮やかさや明るさなどの色味が変わってしまうことを指します。

汚色

これは文字通り「汚れやすさ」の指標です。例えば、洗濯したとき一緒に洗ったものなどに色移りしてしまう現象は、「色の汚染がある」という意味で汚色に分類されます。赤いTシャツと白いTシャツを一緒に洗濯したとき、白いTシャツが若干ピンクになってしまったときは「赤いTシャツが白いTシャツを汚染した」ということになります。

2. そこで大切なのが堅牢度!

これ何?これなんて読むの?などの疑問にお答えします。

丈夫の度合いを表す数値

オリジナルグッズ作成のアプリやサイトで時々見かける「堅牢度」という言葉。読み方は「けんろうど」と読みます。「堅牢」というのは、丈夫という意味です。つまり堅牢度とは、丈夫さのことを指しています。特にAirPriなどの印刷業界でいう堅牢度は、オリジナルデザインのTシャツなどの染色した生地の色落ち具合や、色移り具合などのことを指す「染色堅牢度」を指します。

Tシャツ印刷の薄さのイメージ

正式な規格

日本の様々な工業製品の規格の基準とされている日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)によって段階分けされており、全部で9段階あります。1が一番低い認定で、1から順に「1-2」「2」「2-3」「3」「3-4」「4」「4-5」「5」の9段階があります。5に近づくほど堅牢度が高いという認定になります。

堅牢度の等級を示した図

3. 染色堅牢度にはいろいろな種類がある!

染色堅牢度にはいくつかの種類があります。主には日常生活で使用しているときに受けるダメージについての耐性を数値化しています。ここでは代表的な染色堅牢度についてご紹介します。

耐光堅牢度

この退光堅牢度というのは、光による退色(色褪せ具合)への耐性を表す度合いのことです。日光などの光に当てて退色に対してどれくらいの耐性を備えているかを表す指標です。この耐光堅牢度は、一般的にその生地の色が淡い色や鮮やかな色の場合は弱い傾向があるとされています。

洗濯堅牢度

家で洗濯したときに、その生地自体の色が薄くなってしまったり、生地の色が他の洗濯物に近くなってしまうことへの耐性を測る度合いのことです。家庭での通常の洗濯を想定して、水、洗剤、乾燥などの条件を加えて測定します。

水堅牢度

家で洗濯したときに、その生地自体の色が薄くなってしまったり、生地の色が他の洗濯物に近くなってしまうことへの耐性を測る度合いのことです。家庭での通常の洗濯を想定して、水、洗剤、乾燥などの条件を加えて測定します。

汗堅牢度

人の汗によってどの程度変色などが起こるのかを測定した指標のことです。人工的に作った人の汗と同じ成分の液体に生地を浸した状態で試験をします。ただ、汗はその人の食生活と生活習慣で変わってしまうので、酸性とアルカリ性両方を試験しています。

摩擦堅牢度

着ているとこれもどうしても起こってしまいますが、摩擦によって生じる変色や退色の度合いを測る指標です。これについては、生地が乾燥しているときの乾燥試験と、生地が濡れている状態での湿潤試験があります。

同じ生地を使ってたくさんの試験を行っているんですね!私もここまで細かく試験をしているとは思っていなかったのでびっくりしました。このほかにもドライクリーニング堅牢度や、昇華堅牢度、イエローイングなど様々堅牢度の測定があります。

4. 同じ素材でも違う堅牢度

堅牢度は一つの素材に対してたくさんの試験を行いますが、実は同じ素材でも堅牢度が変わる場合があります。

素材そのものによる堅牢度

その生地が綿でできているのか、ポリエステルでできているのかナイロンなのかなどによって、生地への色の染み込み具合が変わります。これは想像が着くかもしれませんね。一般的には、ポリエステルは堅牢度が高いです。逆にナイロン系の繊維などは堅牢度が低いです。また、綿などは色落ちしやすいと言われます。

堅牢度は生地の種類によっても異なる

生地の色による堅牢度

同じ素材でもその色によって堅牢度が違います。私はよく白のTシャツと黒のTシャツを着ますが、長いこと着ていると黒いTシャツは襟元などが変色してきてしまいます。白に近いTシャツの方が堅牢度が高く、黒に近い色になる程堅牢度が低くなるということですね。

Tシャツやタオルの色によって違う堅牢度

5. インクの堅牢度

AirPriのTシャツ、パーカー、トートバッグは同じ機械でインクジェット印刷をしています。このインクジェット機のインクの堅牢度についてご紹介します。

アメリカAATCC2A洗濯堅牢度試験

AirPriで使用されているインクの洗濯堅牢度は、メーカーに問い合わせたところ、アメリカで堅牢度の試験がされているもので「AATCC」という規格でした。これは「アメリカ繊維化学技術・染色技術協会規格」というもので、染色堅牢度の試験を扱う規格です。 この試験は、洗濯機で洗濯した時の生地の耐久性を評価するための試験です。この試験の中では、洗濯による生地の劣化を評価する「耐洗濯性試験」、洗濯後の生地の乾燥による劣化を評価する「耐乾燥性試験」、洗濯過程での摩擦や引っかきによる劣化を評価する「耐摩耗性試験」、洗濯による色褪せや変色を評価する「耐色褪せ試験」などを実施しています。 AirPriで使用しているインクは、9段階のうちの8を取得しています。

オリジナルデザインTシャツについて堅牢度を測る人

AirPriのインクの堅牢度

この規格において、AirPriで扱っているインクの洗濯堅牢度は「4-5」でした。第2章でご紹介した9段階のうちの8なので、高い基準の洗濯堅牢度を兼ね備えたインクを使用しているということになります。といっても着る頻度や、洗濯する頻度、外で着るのか中で着るのかなどでも生地の持ちは変わってくるので、せっかく作ったオリジナルデザインのTシャツやパーカー、トートバッグは丁寧に扱って長持ちさせてくださいね。 オリジナルデザインをプリントしたグッズの洗濯の方法については「Tシャツの品質表示タグと上手な洗濯の方法」という記事で詳しくご紹介しているので参考にしてください。

またこの記事でお伝えしている堅牢度が当てはまるAirPriのグッズについてのページのリンクを貼っておくので、気になるグッズがあったらぜひのぞいてみてください。

6. まとめ

今回は、堅牢度って何!?からAirPriで使用されているTシャツやパーカー、トートバッグの生地の堅牢度とインクの堅牢度について見てきました。ただ、AirPriで扱っている生地やインクは、堅牢度にある9段階のうち、8段階を獲得しているので、かなり丈夫ということがお分かりいただけたと思います。ただ、同じ生地でも色によって違うこともあるのでご承知おきください。また、せっかく作ったオリジナルデザインのグッズなので、洗濯をされる際は気をつけてくださいね。 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。