タオルの生地の種類
いろいろなタオル生地のメリットとデメリットを中心にお伝えします。
タオルは、洗顔後や汗を拭くときにかならず必要なアイテムですよね。でもその用途に応じて、タオル生地には意外にも種類があることはご存知ですか?今回はタオルの生地の種類についてと、各生地のメリットとデメリットについてもご紹介します。また、AirPriで扱っているタオルの紹介やタオルのデザイン時の注意点などもご紹介します。
1. パイル生地タオル
パイル生地とはどういう生地なのかをご紹介します。
パイル生地とは?
パイル(pile)とは、「織物の表面を覆っている輪奈(わな)や毛羽(けば)」を指します。ここから転じて「糸をループ状に織って作られている生地」のことをパイル生地といいます。一般的なタオルの編み方で、タオルの表面を見れば肉眼でも確認できます。糸をループ状に編むことによって、ふわふわな質感を感じることできます。
パイル生地の構造
パイル生地の構造は、下図のようになっています。糸をループ状にして作られているので、布地まで距離ができ、ふわふわな質感になります。
この生地のメリット
パイル生地タオルのメリットは、なんといっても優れた吸水性です。糸がたくさん使用されている分、水分を多く吸収することができます。また、ループが立っていて空気に触れる部分が多いため、速乾性もあります。またパイル生地は、タオルケットなどの寝具にも使われる編み方で、保温性にも優れています。
この生地のデメリット
私も経験がありますが、パイル生地はちょっとしたひっかかりで、糸を引っ掛けやすい欠点があります。もし糸がほつれてしまったときは、引っ張らずにハサミで切りましょう。また、パイル生地に印刷するとインクが滲んでしまうので、印刷クオリティとしては低めです。吸水性が高いぶん汚れも吸収しやすくなります。
2. シャーリング生地タオル
シャーリング生地とはどういう生地なのかをご紹介します。
シャーリング生地とは?
第1章でご紹介したパイル生地にもうひと手間加えたのがシャーリング生地です。パイル状に編んだ表面の糸のうち、パイル上部をカットして切りそろえた生地です。それゆえに肌触りはとても滑らかで、気持ちがいいです。シャーリング生地のタオルは、イベント用タオルやグッズタオルとしてお馴染みなので、この生地のタオルを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
生地の構造
第1章でご紹介したパイル状の糸の上部をカットして、切り揃えたものがシャーリングタオルです。
この生地のメリット
シャーリング生地のタオルは、表面の糸を切りそろえてあるため、滑らかな質感を感じることができます。またシャーリング生地は、パイル生地と違って表面に出ている糸が短めなので、オリジナルデザインの印刷が鮮明で、写真など繊細な部分まで印刷で表現することができます。
さらに、パイル生地よりも表面の糸の総量が少ないため、たたみやすく持ち運ぶ際にも小さくできます。
この生地のデメリット
シャーリング生地はパイル生地のループ部分をカットしているため、吸水性は劣ってしまいます。ただ、シャーリング生地の多くは、裏面がパイル生地になっているため、吸水力がめちゃくちゃ劣るわけではありません。また、タオルのふわふわ感を生み出すパイル生地のループ部分がカットされているため、ふわふわ感はパイル生地にやや劣ります。
3. ジャガード生地タオル
ジャガード生地とはどういう生地なのかをご紹介します。
ジャガード生地とは?
ジャガード生地は、専用の織り機にデザインをあらかじめ登録しておき、糸の色によってデザインを表現している生地を指します。つまり印刷によるデザインの表現ではありません。正しくはジャカード(jacquard)ですが、日本ではジャガードと呼ばれています。幾何学模様などのデザインを糸によって表現できるため、高級感のあるタオルに仕上がります。
生地の構造
ジャガード生地の織り方には2種類あります。1つ目は毛違い織りと言われるもので、表と裏でデザインのいろが反転しているように仕上がる織り方です。表と裏で違う表現を楽しめます(図1)。2つ目は上げ落ち織りと言われるもので、パイルの高さを変えて「上げ」と「落ち」を作ることでデザインを表現する織り方です(図2)。
この生地のメリット
ジャガード織りの最大のメリットは「高級感」です。見た目に華やかさがあり、手の込んだ立体的なデザインが見た目から分かるので高級感を演出してくれます。タオルのほかにもカーテンなどで使用されています。その美しい織り模様に加えて、耐久性にも優れています。また、後から印刷したわけではないので、洗濯による色落ちもしにくいです。
この生地のデメリット
手間がかかる織り方がゆえに、コストが高いというデメリットがあります。糸自体に光沢のある糸や耐久性のある糸が使用されることにも起因しています。また、ジャガード生地では糸の織りによってデザインを表現しているため、繊細なデザインの表現には限界があります。使用できる色数が制限されているので、印刷したデザインと比べると鮮やかさでは劣ります。
4. サテン生地タオル
サテン生地とはどういう生地なのかをご紹介します。
サテン生地とは?
サテン生地は、朱子織り(しゅすおり)という織り方で織られている生地です。この織り方は、経糸(たて糸)と緯糸(よこ糸)が交差する点を少なくすることで、表面の凹凸を減らしているため、表面をなでるととても滑らかな肌触りになるのが特徴です。サテンは本来は絹(シルク)を使って織られたものですが、現在は綿糸やナイロン、ポリエステルなどの合成繊維からつくられているものもあります。
生地の構造
経糸と緯糸を5本以上使って表現される織り方で、糸が交差する点をなるべく少なく目立たないようにして、どちらかの糸を長く浮かせた状態にしている織り方です。経糸と緯糸を交互に重ねていく平織りと比べると、糸が交差する点が少ないことが分かります。
この生地のメリット
サテン生地の特長は、なんといっても滑らかな肌触りです。その肌触りと見た目の美しさから、上品さを感じることもできます。同じ方向に向かっている糸が多く光沢感があるので、フォーマルな場での衣類に用いられます。
この生地のデメリット
サテン生地に使用される糸にもよりますが、織り方の構造上、生地が薄くなるため吸水性に欠けるというデメリットがあります。また、経糸と緯糸が交互に交差しておらず、4本の経糸の上を緯糸がずっと浮いた状態になっていることから、ちょっとしたところに引っ掛けやすい弱点があります。絹のサテンは、耐久性が低く摩擦にもあまり強いとは言えないので、基本的に洗濯はNGです。
5. ワッフル生地タオル
ワッフル生地とはどういう生地なのかをご紹介します。
ワッフル生地とは?
その名の通り、お菓子のワッフルのような格子状の凹凸がある織り方の生地をワッフル生地といいます。経糸と緯糸を浮かせて織られています。格子の大きさは折り方によって様々ですが、ポップなかわいさを持っている生地です。格子状の凹凸があるぶん、糸をたくさん使用しているので、吸水性能が高い特徴があります。
生地の構造
ワッフル生地は、辺部分を絡ませず頂点で交差することによって、生地に凹凸を生み出し、立体的にしています。ワッフル生地は、作成の前段階でどのようなデザインにするかを決めることができ、編み方もいくつか種類があります。
この生地のメリット
ワッフル生地は糸を浮かせて織られているため、吸水性や吸湿性に富んでいます。それに加え、凹凸によって空間ができるため、シーツなどの寝具にも使用されます。また、伸縮性があり扱いやすいです。一見重たそうですが、実際はそんなに重たくはないので、赤ちゃん用品にも使われています。
この生地のデメリット
ワッフル生地はふわふわで肌触りもいいですが、丈夫な生地というわけではありません。洗濯によって縮んでしまったり、変形しやすい生地というのが難点です。洗濯の際は注意が必要です。
6. マイクロファイバー生地タオル
マイクロファイバー生地とはどういう生地なのかをご紹介します。
マイクロファイバー生地とは?
この生地は、ポリエステルやナイロンといった化学繊維から構成されている生地です。1本の糸の細さは、髪の毛の100分の1ほどで約8マイクロナノメートルです。この糸の細さがゆえに毛細管現象による吸水性が抜群です。マイクロファイバーは日本で開発された技術で、今ではいろいろなものに使われています。
生地の構造
マイクロファイバー生地は、表面だけで、裏面はパイル生地になっています。マイクロファイバー生地はシャーリング構造で、ループ状の糸の上部をカットしてあり毛足が短いため、印刷に適しています。
この生地のメリット
髪の毛の100分の1の細さの繊維の集まりが抜群の吸水性を発揮します。また、速乾性にも優れているため、タオルだけでなく寝具などにも使われることが多い生地です。また、目には見えない汚れや油膜をしっかり落としてくれるという、掃除道具としての働きもあります。
さらに、雑菌が繁殖しやすい天然繊維と比べると、合成繊維は雑菌が繁殖しにくいので、掃除後のニオイも抑えてくれます。
この生地のデメリット
マイクロファイバーの生地は、熱に弱いという弱点があります。料理後のまだ熱いコンロ周りをさっと拭くと、生地の繊維が溶けてしまい、コンロにもこびりついてしまいます(経験談)。また、この生地は洗濯後の乾燥機も苦手です。速乾性があるので、室内干しでも十分乾きます。
7. 無撚糸生地タオル
無撚糸生地とはどういう生地かをご紹介します。
無撚糸生地とは?
糸は本来強度を出すために撚ってありますが、この無撚糸生地はほとんど糸を撚っていないままの状態で使用しています。このため、感触がふわふわのタオルになり、やさしく包み込むイメージのタオルです。無撚糸生地のタオルは、糸を撚っていない点が最大の特長にもなります。
この生地のメリット
あまり撚っていない糸を使用しているため、タオル自体がふわふわなだけではありません。糸が固くないぶん立体構造になっており、吸水性がとても高いタオルになります。また、ふわふわなので通気性もとても良い生地になります。
この生地のデメリット
無撚糸であるがゆえのデメリットもあります。糸自体の強度が弱いため、毛羽立ちやすく耐久性に欠けます。洗濯では水流によって揉まれてしまうため、洗濯ネットに入れた方がタオルが長持ちします。洗濯時の水分が少ないと摩擦によってタオルにダメージがあるため、水の量はやや多めがおすすめです。また、無撚糸生地には、高品質な糸を使用しているため、一般的なタオルと比べて価格が高くなります。
8. AirPriはマイクロファイバーのシャーリング生地!
AirPriで扱っているタオルについて簡単にご紹介します。
印刷がキレイ!
AirPriではマイクロファイバー素材のシャーリング生地タオルを採用しています。シャーリング生地は、パイル生地のループ部分をカットしており、毛足が短くなっているので、印刷したデザインがキレイに映えます。さらに、AirPriのタオルは、昇華転写印刷なので、発色がとても鮮やかになります。タオルの印刷しない側の面は、吸水性が高いパイル構造の生地を使用しているので、吸水性も保ったままで印刷もキレイにできます。
肌ざわりが滑らかな質感!
AirPriのタオルは、昇華転写印刷という印刷です。この印刷方法では、インクを熱で気化させて、転写シートのデザインをタオルの素材に染み込ませています。そのため、鮮やかな発色が表現できる上に、マイクロファイバーの気持ちの良い肌触りを損ねることもありません。
AirPriタオルについて
AirPriで扱っているタオルの生地については、この記事でご紹介していますが、AirPriタオルのサイズやオプション、納期などについては「AirPriのアプリで扱っているタオルについて」という記事でご紹介しています。
9. AirPriのタオル関連記事
タオルの世界は意外と奥が深いです。タオルに関するほかの記事をご紹介します。
アプリでタオルをデザイン作成する!
AirPriのアプリを使って、タオルを作るとさまざまなメリットがあります。その理由の1つは操作性です。ほかにもたくさんのメリットがあるので、気になる方は「オリジナルタオルをアプリでデザイン作成する」という記事がオススメです。
AirPriでタオルをデザインするときの注意点について
どのサイトでオリジナルタオルを作成するときも共通していますが、デザイン作成時に気をつけていただきたいことがあります。これはタオルの仕上がりのご満足いただくために必要なことです。詳しくは「AirPriでタオルをデザインする時の注意点」という記事でご紹介しています。
最近人気のクラスタオル!
服が学校指定でクラスTシャツが着られなくても大丈夫!最近では、クラスタオルもとても人気です。クラスタオルのなかでも人気のサイズや、デザイン例などについては「かわいいクラスタオルをデザイン作成する!」という記事で詳しくご紹介しています。
部活タオル作成で団結力アップ!
部活やサークルでおそろいのタオルを作成するチームも増えています。AirPriなら、10万色のカラーに対応しているので、きっとあなたのチームカラーが見つかります。詳しくは「オリジナル部活タオルはアプリでカンタン作成!」という記事でご紹介しています。
AirPriタオルのサイズについて
AirPriでは、4種類のサイズのタオルを扱っています。用途によって作りたいサイズが違いますよね。実際に持ってみた画像もあって分かりやすいと思います。タオルのサイズについては「AirPriのタオルのサイズについて」という記事でご紹介しています。
タオルに使われる単位「匁」とは?
タオルには「匁」と呼ばれる単位が今でも使われています。常用漢字でもないので、なんて読む?と思う方も多いと思います。タオルの匁という単位については「タオルに使われる『匁』とは?」という記事でご紹介しています。
10. まとめ(タオルの生地の種類)
今回は、タオル生地の種類についてご紹介してきました。意外と色々な種類のタオル生地がありますよね。各タオル生地のメリットとデメリットを吟味しながら、用途に応じて使い分けていただければと思います。AirPriで扱っているオリジナルタオルの生地は、マイクロファイバーのシャーリング生地で、裏面はパイル生地を使用しています。昇華転写印刷で鮮やかな発色のオリジナルタオルを作ってみてくださいね。AirPriはみなさんのオリジナルデザインを応援しています。