AirPriで使えるフォントについて
オリジナルデザインと融合する、AirPriのたくさんのフォントから一部をご紹介します。
オリジナルデザインを作るとき、イラストだけのパターン、文字だけのパターン、文字とイラストのパターンがあります。今回はそのうちその2つに関わってくる文字についてお伝えします。
文字は、メッセージを伝えるときに分かりやすい方法なので、WEB広告や新聞の折り込み、パンフレットなどあらゆるところで頻繁に使われています。文字は伝えることに特化した手段の1つではありますが、デザインの中の文字は伝えるだけではなく、文字自体もデザイン要素として加えることができます。そんなときに大切になってくるのが「フォント」です。フォントは日本語でいえば「字体」です。
ここでは、フォントの基本からAirPriで使えるフォントの一例もご紹介し、さらにAirPriで文字に対してできるいろいろな加工についてもお伝えします。
1. フォントの歴史
ブラックレター
日本では江戸時代頃、指名手配犯の似顔絵を1枚ずつ書いて民衆に配っていました。欧米でも14世紀頃までは、新聞をすべて書いたり手書きの本が生産されていましたが、とても非効率でした。
15世紀に入って、ドイツ人の活版印刷の発明家であるヨハネス・グーテンベルグが世界で初めて「ブラックレター」というフォントを発明しました。このフォントは今でも使われていますが、このフォントで埋め尽くされた新聞は紙面が黒く見えることからブラックレターと呼ばれました。また長時間読むのには向いていないフォントということや、キリスト教の宗教色を強く感じることなどの理由から、人文学者などはこのフォントを避けていました。
セリフ体(ローマン体)
そこで15世紀後半に登場したのが、もっとシンプルにした「ローマン体」と呼ばれるフォントです。現在では「セリフ体」とも言われます。このフォントは細い線でスッキリしています。このフォントは端に「セリフ」という装飾があります。これによって格式が高い印象を与える文字として今でも使われています。
イタリック
16世紀に入ると「イタリック」というフォントが登場します。名前の通りイタリアで生まれたこのフォントは、セリフ体を斜めにしたものです。活版印刷技術の進歩などによって、文字の小型化をするため斜めにしたという説もありますが、これは諸説あります。
エジプシャン体(スラブセリフ体)
19世紀になると、産業革命の影響などからさまざまなフォントが登場します。この頃人気だったのは「エジプシャン体」と呼ばれるもので、セリフ体やイタリック体と比べると文字が太くごっつくなりました。目立つ文字なので、産業革命の発展によって広告によく使われました。
サンセリフ体
19世紀半ば、太さがあまり変わらないエジプシャン体を元にして作られたのが「サンセリフ体」です。「サン」とはフランス語で「〜がない」という意味です。つまり「セリフ(端の装飾)がない」ということを指していてとてもシンプルなデザインのフォントです。
ヘルベチカ
その後20世紀半ばになって、世界で一番有名な「Helvetica(ヘルベチカ)」というフォントが登場します。このフォントはシンプルで読みやすい上にとても美しく、多くのデザイナーから評価されて世界中で使われるフォントになりました。FENDIやTOYOTA Microsoftの会社のロゴは、このヘルベチカを使用しています。
フーツラ
他にも有名なフォントでいえば「Futura(フーツラ)」があります。文字全体が幾何学的な形態で統一感があるので、デザイン性が高い文字として人気を博し、現在に至るまで人気のフォントです。企業ロゴに使用するフォントとして LOUIS VUITTONやhulu、Calvin KleinなどがこのFuturaを使用しています。
2. フォントの役割
フォントはいわば装飾文字ですが、その役割はなんでしょうか。
フォントというのは、デザインの読みやすさを担保する役割や、読む人に情報や世界観を伝えるためのコミュニケーションの1つとしての役割があります。
フォントにおいて大切なことは「見やすい、伝わりやすい、読みやすい」ということです。そもそも文字は情報を伝えるためですが、近年では、その文字にフォントというデザイン性を持たせたので、視覚的な要素も強くなりました。フォントがイラストと一緒にある場合、フォント次第でデザインとマッチするか、良いデザインになるかどうかを左右してしまうほど大切です。
視認性
視認性とは「見やすさ」のことです。文字のサイズを変えたり、太くしたときに文字が潰れず読みやすければ、そのフォントは視認性が高いといえます。視認性でもう1つ大切なことは「背景の色やデザインと合わせたとき」です。背景と合わせても見やすいかどうかもきちんと見ましょう。
判読性
判読性は「伝わりやすさ」のことです。「迫」と「追」や、「誠」と「試」、「項」と「頃」と「頂」などの似たような漢字が、一瞬で判断できる文字は判読性が高いフォントといえます。判読性が低いフォントでは、情報が伝わりにくくなったり漢字の読み間違いから誤解の原因になります。
可読性
3つの中で一番大切なのは、この可読性です。可読性とは「読みやすさ」のことです。文字の太さやサイズに関係なく、内容を読み取れるということです。読み取れるということは「相手に情報が正しく伝わっている」ということなのでこれが一番大切な要素になります。
3. 覚えるべき4つのフォント
フォントには、代表的なフォントが4つあります。4つといってもほぼ2つなのでここで覚えちゃいましょう。 この4つを覚えておくと、フォントを選ぶときの基準ができるのでオススメです。
日本語のフォント
明朝体
日本語のフォントです。下の図のようなフォントで、よく新聞や教科書に使用されています。このフォントは、習字で書くようにトメや払いが表現されているので、「厳格」「格式高い」というイメージがあります。長文に適しているので新聞などで使われているんですね。
ゴシック体
これも日本語のフォントです。明朝体と違って文字はどこの太さも均一になっています。パッと見てわかりやすい(視認性が高い)ので、ポスターや雑誌などで注目を集めたいときに使われます。日本語で文字がメインになるデザインの場合はこのゴシック体がオススメです。
英語のフォント
セリフ体
セリフ体はフォントの歴史でも登場しました。「セリフ」というのはヒゲのことで、文字の端についています。このフォントは縦の線が太く横の線は細くなっているので、日本語でいうところの明朝体にあたります。英字新聞ではこのフォントが使われていることが多いです。やはり長文に適しているということですね。
サンセリフ体
サンセリフ体もフォントの歴史で登場しました。このフォント名の「サン」は「〜がない」と言う意味です。セリフ体を元に作られたフォントですが、「セリフ(ヒゲ)がないフォント」ということです。日本語のゴシック体にあたるもので、どこの線をとっても同じ太さで統一されています。
4. AirPriで扱っているフォントの種類
ここからはAirPriで扱っているフォントをご紹介します。AirPriでは、皆さんのオリジナルデザインにマッチしたフォントが必ず見つかるように、約800種類のフォントを扱っています。具体的には日本語フォントは約75種類、英語フォントは約680種類、中国語フォントは13種類、韓国語フォントは約30種類です。下にあるのはAirPriのフォントのほんの一部です。
日本語のフォント
英語フォント
中国語フォント
韓国語フォント
5. AirPriで文字にできること
AirPriは、機能がとても豊富です。それは文字に対しても例外ではありません。ここで、フォントの変更以外で文字に対してAirPriでできることもご紹介します。ここでは、AirPriで文字に対してできることを7つご紹介しましょう。文字の大きさを変えられる
文字の大きさを変えられる
デザインしたイラストやマークに対する最適な文字サイズを選ぶことができます。AirPriはオリジナルデザインのグッズ作成ができるので、文字の最小サイズに関しては、印刷しても文字が潰れないところまでのサイズになっています。AirPriのデザイン作成画面で文字を選択している状態のとき、4隅の丸を外側にスワイプするか、画面の下部にある「サイズ」というところから入って調整することができます。「AirPriのデザイン機能!文字の大きさを変える!」という記事でご紹介しているので参考にしてください。
文字の色を変えられる
打ち込んだ文字の色を変えることができます。色は全部で323種類!豊富な中からあなたのデザインにぴったりの色がきっと見つかります。選択した範囲の文字を、すべてその色に変えてくれます。AirPriのデザイン作成画面の下部にある「カラー」から入って調整することができます。ただ、色選びは、ときに簡単ではないこともあります。
「AirPriにも使える!デザインに大切な色の影響について」という記事で、色に関してご紹介しているので参考にしてください。
文字の柄を変えられる
AirPriでは、文字の色を変えるだけではなく、文字の柄を変えることもできます。文字に色を入れた場合は単色ですが、そこに「パターン」という柄を入れることで、文字の中にその柄を入れることができます。文字をあらかじめ太くしておけば、柄がよく見えるようにもできます。この機能はAirPriのデザイン作成画面の下部にある「カラー」に入って、一番上にある柄をタップすると、色々なパターン素材が出てきます。
「AirPriでデザインする!画像をオシャレに切り抜く」という記事でご紹介しているので参考にしてください。
文字にエフェクトをかける
選んだフォントで入力した文字に対して、さらにエフェクトをかけることができます。エフェクトとは、文字に影をつけたり、文字を立体的に見せたりする機能です。エフェクト機能を使えば、フォント以外でも文字に対するデザイン性をさらに高めることができます。AirPriのデザイン作成画面で文字を選択した状態で、下部にある「エフェクト」というところから入ることができます。中には、11種類のエフェクトをご用意しています。
「AirPriのオシャレ機能!テキストにエフェクトをかける!」という記事で、エフェクトに関してご紹介しているので参考にしてください。
文字の縁取りをする
入力した文字の縁取りをすることができます。縁取りは、強調させたい文字によく使われます。文字自体の色と縁取りの色の兼ね合いに気をつけながら作れば、そこに注目してもらうことができます。この機能では縁取りの幅をユーザが調整することもできます。
「AirPriのオシャレ機能!文字の縁取りをする!」という記事で、詳しくご紹介しているので参考にしてください。色と色の組み合わせの考え方については「AirPriでも使える!デザインの配色パターン(前編)」でもご紹介しています。