AirPriでのオリジナルグッズ作成の注意点
グッズ作成の時にこれを知ってると失敗しないという内容をお伝えします。
あなたはオリジナルグッズを作ったことがありますか?仲のイイ友達でおそろいのものを作ったり、文化祭でクラスのみんなで着れるオリジナルTシャツ、ちょっとしたお出かけに使える自分好みのトートバッグなど、作ってみようかな?と思うタイミングがこれから先もあるかもしれません。
そんなとき、印刷の知識の中でも特に最初に「えっ」となる注意点と、AirPriでのグッズ作成のときの注意点を集めました。これを知っていれば、オリジナルグッズ作成もきっとスムーズにいくと思います。
1. 色が変わる!?変わりやすい色と変わりにくい色
AirPriは、スマホの中で自由にオリジナルデザインを作って、それを注文すればそのオリジナルデザインが印刷されたオリジナルグッズがお手元に届きます。でも届いた時に色が違っていたら悲しいですよね。でもこれはよく起こってしまうことです。それについてご紹介します。
2つの色の表現方法
スマホやテレビ、タブレットなどのディスプレイは、「光の3原色」という色を扱っています。右の図の左側が光の3原色です。赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の頭文字をとってRGBと言います。
これに対して印刷業界では「色の3原色」を使っています。右の図の右側です。シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、黒(Key plate)の頭文字をとって、CMYKと言います。
色が変わる理由
RGB(光の3原色)では、色がついた3色の光を組み合わせることでさまざまな色が表現できます。光による色表現なので、蛍光色に近い色も表現できます。これに対してCMYKでは、光ではなく「色そのもの」を組み合わせてさまざまな色を表現しています。これによって「赤」を表現していても、RGBでは表現できる色がCMYKでは表現できないという現象が生じてしまいます。スマホはRGBで、印刷はCMYKなので、色の表現方法が違いますが、なるべく近い色で置き換えてくれるので「近い色だがちょっと違う色」になってしまうわけです。
特に色味が変わってしまう色
数ある色の中でも、「蛍光色」に近い色はRGBとCMYKで大きく色味が変わってしまう色です。右の図に蛍光に近い色をご用意しました。CMYKで置き換えると、右図の右側のようになります。AirPriに限らず、オリジナルデザインを作るときは、「明るすぎるRGB色」は「ちょっとくすんだCMYK色」になることを頭に入れてデザインをしていただくとイイかもしれません。
RGBとCMYKをもっと詳しく!
ここでは、RGBとCMYKについての説明が簡潔になってしまいました。RGBとCMYKの違いについて、もう少し詳しく知りたいという方は「AirPriにも使える!色のCMYKとRGBについて」という記事でご紹介しています。
2. ホワイトインクについて
白いTシャツとカラーTシャツの印刷の違い
印刷業界では、印刷するグッズが「白かそれ以外か」によって、印刷工程や完成のときのデザインが少し変わります。右の写真は私が作ったオリジナルTシャツです。なかなかカワイイですね。私は、全く同じデザインを白いTシャツとカラーTシャツ(黒)に印刷しました。でも実は、このデザインはホワイトインクの有無によって印刷した形が違います。それが下の画像です。
AirPriでのホワイトインクの注意点
AirPriでは、高品質なものを少しでも安くご提供するためにさまざまな工夫をしています。その一つとして、白以外のグッズに印刷するときはホワイトインクを先に印刷し、白いグッズにはホワイトインクを印刷していません。上記の事を知らずにオリジナルデザインをすると、たとえばTシャツなら下のようなオリジナルTシャツになります。白いTシャツにはデザインの白いインクを印刷しないので、なかなか衝撃的なTシャツに仕上がってしまいます。ホワイトインクを使うかどうかは、印刷するグッズの色によります。
ホワイトインクをもっと詳しく!
ここではホワイトインクについて簡単なご説明になってしまいました。もっとホワイトインクについて詳しく知っておきたい方は、「印刷に必要なホワイトインクってなに?」という記事でご紹介しています。」という記事でご紹介しています。
印刷ミスを回避するためには?
AirPriでオリジナルデザインをするときは、まず何色のグッズにするのかを決めてからオリジナルグッズ作成に取り掛かった方が無難です。でももし途中で他の色のグッズに変えたいなと思ったときは、デザインの輪郭があるかなどを確認しましょう。
でもAirPriならそこは大丈夫です!AirPriではデザインの途中に、いつでもプレビュー確認ができます。このプレビュー画面は優秀なので、このプレビューで確認しながらデザインを進めていけば問題なくできると思います。
3. グラデーションについて
AirPriでは、ご用意しているイラスト素材の色を自由に変えることができます。AirPriで素材の色を変えるところでグラデーションを選択すれば、グラデーションを使うこともできます。
私が作ったTシャツの画像を見てみてください。遠目では分かりませんが、よく見てみるとグラデーションが若干段々になっています。これは機械の故障ではなく、そういうデザインでもありません。AirPriで使っている機械の都合上こうなってしまいます。
個人的には、言われないとわからない程度だなので気になりませんが、これが気になる方はAirPriでグラデーションを使うのは避けた方がいいかもしれません。
4. シミのような痕がある!?
AirPriでは、せっかく作ったオリジナルTシャツを長く着ていただくために、ある処理をしています。白以外のTシャツに印刷をするときは、ホワイトインクをデザインの下に印刷していますが、この場合ホワイトインクとTシャツが剥がれやすくなってしまいます。この対策として、ホワイトインクを印刷するカラーTシャツには、印刷の前にインクが剥がれにくくなる特殊なノリを噴霧しています。これを「前処理剤」と呼んでいます。この前処理剤のおかげでホワイトインクを印刷したTシャツでも長持ちするのですが、乾くとシミのようになってしまうことがあります(下の画像)。これは、カラーTシャツの色味によっても若干違います。
でも大丈夫!
でも大丈夫です!洗濯を2〜3回するだけでほとんどが落ちてくれます。そのあとは印刷が剥がれにくくなることもなく、オリジナルTシャツを楽しんでいただくことができます。お手元に届いたときに、印刷の周りがシミのように見える場合は、前処理剤のノリなので、洗濯すれば落ちると覚えておいていただくといいと思います。なお、このシミのような痕が原因によるご返品は受け付けておりませんのでご注意ください。
5. アイロンの跡が残ってる!?
AirPriでは、美しい印刷を実現するために、フルカラー印刷のインクジェット印刷機で印刷をしています。
Tシャツの上からオリジナルデザインのデータの色を噴霧していくのですが、このときTシャツの布によって印刷ムラなどが起こらないように、印刷面に熱を加えてプレスをし、印刷面を一時的に平らにする処理をしています。そこにオリジナルデザインを印刷することでキレイな仕上がりになりますが、ユーザのお手元にグッズが届いた時に、プレスの痕がまだ残っていることがあります。
でも大丈夫!
このプレス痕はずっと残るわけではありません。お手元に届いたら、まず洗濯をしてください。そうすることで糸が元の状態に戻ってプレス痕が消えやすくなります。何回か着ていればプレス痕はなくなり、キレイなデザインだけが残ります。ちなみに洗濯するときは、Tシャツを裏返して印刷面を内側にして洗濯して頂くと、オリジナルデザインが長持ちします。
6. AirPriで特色印刷はできる?
AirPriでは特色印刷のカラーは取り扱っていません。特色カラーというのは、「蛍光色」「金色」「銀色」「企業のロゴカラー」「DICカラー」「PANTONEカラー」などの指定色です。インクジェット印刷機にその色のインクが存在しないからという理由もありますが、金色や銀色は使用頻度が少ない上にコストがかかるので、オリジナルTシャツを「品質は高く、価格は少しでも抑えたい」というAirPriでは取り扱わないことにしています。AirPriでの取り扱いはありませんが、インクジェット印刷ではなくシルクスクリーン印刷という印刷手法であればこの特色に対応している企業もあります。
7. AirPriのTシャツの工程をご紹介!
AirPriでグッズを作るときの注意点を実際に見てみたい!という方のために、工場見学にも行ってきました。とてもキレイな工場で印刷しています。第2章のホワイトインクや、第4章の前処理剤、第5章のプレス痕などについては、実際にその工程の写真もあるので、より理解しやすくなります。
「AirPri印刷工場レポート!Tシャツについて」という記事で、AirPriで一番人気のTシャツを印刷する工程をご紹介しているので、こちらもぜひ見てみてください。
8. まとめ
今回はAirPriでご注文するときに知っておくといい内容をお伝えしてきました。第4章と第5章はグッズが届いたときにそうなっているかもしれませんが、洗濯すればどちらもなくなります。これはデザインが剥がれないようにするためや、キレイな印刷のためには致し方ないのですが、今後も検証を重ねて、少しでも回避できるように努めていきます!今後もAirPriにご期待ください!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。