デザインに大切な著作権と肖像権について
オリジナルグッズ作成で避けては通れない著作権・肖像権についてお伝えしていきます。
世の中には、推しや人気のキャラクター、アニメキャラなどデザインの材料がたくさんありますよね。それを使ってオリジナルグッズが作成できたら、見ているだけでハッピーになれそうです。
が、そこには「著作権」や「肖像権」というものが存在しています。 皆さん、なんとなくニュースなどで聞いたことはあるけど、どこからが著作権や肖像権違反になっちゃうの? という点は意外と曖昧です。
AirPriでオリジナルグッズを作ったけど著作権に触れてしまってダメだった……となっては悲しいので、今回はそんな「漠然としか知らない著作権・肖像権」についてお伝えしていきます。法律を深く掘っていくとキリがないので、ここではAirPriでのオリジナルデザイン作成に関係のある箇所を抜粋してご紹介していきます。
1. 著作権とは?
テレビ、YouTube、絵画、音楽など現代には多くのエンターテインメントが存在しています。このような作品は、それを作った人の気持ちや考えを表現したものです。これを「著作物」といい、その著作物を作った人を「著作者」、著作者に与えられる権利が「著作権」です。
著作権とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう(著作権法2条1項1号)」と著作権法で定められています。著作者の苦労や努力を法で認めることと、著作物の正しい利用や著作者を保護することが目的の権利です。
著作権は登録の必要がない
特許権や商標権は、国に「こういうものを作りました」と申請して初めてその権利が認められますが、著作権は有名な人でも小さな子供でも「創作された時点で」発生します。申請はしなくても著作権は生まれます。なので、商標がないからといってそのイラストなどを使うと著作権で引っ掛かることがあります。
著作権は期限があるの?
著作権は、創作された時点で発生し、著作者が亡くなってから70年経つと消滅します。その後は誰でもその著作物を使うことができます。ヴェートーベンやモーツァルトの曲は、没後70年経っているので発表会で弾くことができる、というのがその例です。
2. 肖像権とは?
肖像権とは、本人の承諾なく、あるいは正当な理由がなくその人の肖像(顔や姿など)を写真や絵画、彫刻、デザインなどに写し取られたり、公表、使用をされたりしない権利のことです。肖像権は法律上では明文化されていませんが、プライバシーの権利や人格権の一部とされています。
肖像権は全ての人が持っている権利で、自分の写真や似顔絵を勝手に使われないためにあります。例えば、友達が私の顔写真を使って勝手にTシャツを作って販売したとすると、それは肖像権侵害にあたります。一般人も著名人や有名人も関係なく全ての人にある権利なのです。
では「推しの顔写真のオリジナルTシャツを販売して利益を生む訳ではなく、個人で楽しむ目的なら良いのでは?」と思いたくなりますが、実はそれも肖像権の侵害にあたります。「無断でデザインに利用した」という時点で肖像権侵害になります。もちろん著作権も同じです。
つまり、相手の承諾を得ずに勝手にその人を使用したデザインはダメですよということですね。
この肖像権に関わってくるのがパブリシティ権です。
パブリシティ権とは?
パブリシティ権とは、著名人やその他有名人の名前や肖像を使った商品を販売すると、その著名人の影響力が顧客吸引力になることがあり、そこから生じる経済的な利益や価値の分だけ、その著名人や有名人が被害を受けるので、それを守るための権利です。
この著作権と肖像権は、オリジナルグッズを作るときに気をつけたいですね。著作権と肖像権の概要については、少し理解が深まりましたか?では次は、よくあるパターンや、これってどうなの? というパターンを見ていきましょう。
3. 推しの画像をデザインに盛り込みたい!
最近は、YouTubeやSNSなどのメディアの複数化により、アイドルから地下アイドル、キャラクター、アニメキャラまでいろんな推しがいますよね。応援したい推しや、大好きな推しなど皆さん様々ですが、では自分の推しのデザインのオリジナルグッズを作りたい!と思ったらどうしますか?
そのまま画像を使っちゃいけないのはなんとなく分かったけど、好きなブランドのロゴだけは?プロが書いた似顔絵ではなく自分で書いた推しの似顔絵は?推しの名前だけならOK?好きな歌の歌詞なら?大好きなキャラのパロディなら?人気キャラの色を変えればOK? など、疑問がいくつか出てくると思います。ここでお答えしていきましょう!
好きなブランドのロゴだけはOK?
これはNGです。そのロゴを入れたオリジナルグッズは先ほどのパブリシティ権や商標権に触れるからです。可愛いロゴやかっこいいロゴはたくさんあるので、私も使いたいものはいくつかありますが、それは著作権にも関わるのでNGです。そのロゴの形だけ持ってきて、あとはオリジナルデザインで作る場合はOKですがそれも程度によります。
自分で書いた推しの似顔絵はOK?
画像はダメだけど、自分で書いた推しの似顔絵ならいいのでは?これは程度によります。第3者が見て「これってあの人だよね」と分かるような推しの似顔絵は肖像権においてNGになります。逆に第3者が見てその推しと分からなければOKです。
これは判断が難しいですね。
推しの名前や作品名だけならOK?
推しの名前だけなら実はOKです。パブリシティ権あたりが絡んできてNGかなと思っていましたが、これは私も意外でした。大好きな推しなら、名前だけ入れたオリジナルデザインのタオルやステッカーでもテンションは上がりますよね。
ただそれは長さによります。明確な規定はありませんが、15〜17文字以上の名前やタイトルは著作物として登録されている可能性があります。
好きな歌の歌詞ならOK?
歌詞は日本語や英語の言語で、誰もが使っているから、オリジナルデザインに盛り込んでもOKでしょ?と思ったあなた。これはNGです。その歌詞は、たくさんの言葉からその言葉を厳選して歌詞を制作した人の著作権の侵害になります。これは音楽著作協会(JASRAC)などの著作権管理団体に許可をもらい使用料を払う形が一般的です。
ただし、歌詞などを非商用で使う場合は、「引用」として、出典や明瞭区分性、他のデザインとの主従関係が明白の場合はOKになります。
大好きなキャラのパロディならOK?
営利目的ではない場合で、個人的に家庭内や仲間内など限定された範囲で楽しむ場合はパロディはOKです。でもその際はAirPriや他の印刷業者のような「第3者」の介入があってはいけません。製作からすべて個人で完結している場合に限っています。業者を通して制作すると、パロディも「複製」に当たります。
自分でデザインしたとしても、元の素材を真似して転用したり、見ながら描くと「模写行為」にあたりNGとなります。
パロディはもう一つ重要な項目があります。商標登録です。パロディにした題材が商標登録していない場合は、著作者が訴えなければ「著作権を侵害しているとはならない」のですが、商標登録をしていた場合は、商標権の侵害になるので警察の捜査対象、逮捕の対象になります。
人気キャラの色を変えればOK?
人気キャラや推しの色を変えても、そのキャラ、推しと第3者が判断できれば著作権侵害に当たります。赤色のミッキーや黒いキティちゃんも、元のキャラが判断できてしまうのでNGです。
4. 著作権に引っかからないものは?
ここまで読み進めてくると、制約が厳しそうと思いがちですが、ここからは、これならOK! というものをご紹介しましょう。
①自分で1から作ったデザイン
自分で1から考えたデザインは、もちろんどんなデザインもOKです。デザインは無限なので考えや思いつき次第で面白いデザインを形にしてみましょう。
②許可を得ている場合
本人の許可や著作者からの許可を得ていれば、友達でも有名人でも、その写真やイラストは使用することができますし、ショップやブランドもその会社の許可を得ていればOKです。
③歴史的な事実
例えば「本能寺の変」や「世界恐慌」などの歴史的な事実はには、著作権がありません。それを文字にしても自分でデザインにしてもOKです。著作権とは関係ないことになってしまいますが、それを見たときに相手に不快を与えないかどうかは考慮しましょう。AirPriにもエジプトの壁画のや文字のデザインがあります。よかったら検索してみてください。
④データ
単なるデータは著作物には当たりません。これは「思想や感情」ではないからです。データの数字自体は著作権はありませんが、そのデータを使って作ったグラフ、表、説明文などは著作物になります。
⑤ありふれた表現、題名、短い文章
これも先ほど書いた通りです。「元気!!」「今日はやる気ありません」などどこにでもある言葉はOKです。ラノベの「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」が大好きだからといって、このタイトルをそのままオリジナルTシャツに入れたらNGになります。
⑥著作権フリーのもの
著作権を放棄した画像やイラストはネットにたくさんあります。もちろんAirPriでもカメラマンが撮ったオシャレな画像で著作権フリーのものはたくさん扱っています。AirPriで写真アイコンをタップして一番下まで行くと、画像検索の欄があります。ここで検索して出てきたものは著作権ふりーの画像なので、皆さんも使用することができます(ただカメラマンさんの著作権があるので画像には多少の改変が必要です)。
AirPriではこの他にもデザイナーが作ったアイコンも無料で使うことができます。組み合わせてあなただけの一点もののオシャレなオリジナルグッズを作ってくださいね。
⑦コンセプトやアイデア
頭の中にあるものには著作権はありません。それはむしろ自由に表現してもOKです。著作権は具現化された時点で発生するものなので、他の人が見える形になったら著作権が発生すると考えると分かりやすいですですね。
頭の中のイメージをデザインにできればそれにはあなたの著作権がその時点で発生するので、自由にデザインできます。
5. あなたが作ったものの著作権はどこに帰属する?
最近大手のアパレルメーカーのニュースが話題になりました。「オリジナルデザインのTシャツを自由に作ってもOKだけど、そのデザインデータはうちの会社のものにするからね」と利用規約に載っていて、大炎上しました。
ここまで読み進めてきた方ならお分かりと思いますが、そのデザインの著作権はデザインを作った人にあります。
AirPriではもちろんその原則に則っていますので、作ったデザインは作った人にあります。そのデータを使ってAirPriが他の人に販売することはありません。
AirPriでは、その人が同じデザインを今度はオリジナルトートバッグにも使いたい! と思った時のために、保存データのページを用意しています。そこにあなたのオリジナルデザインをストックして使いたいときに使うことができます。たくさんの無料画像の中から、素敵なデザインを作ってストックしておくと後で便利です。
6. まとめ
オリジナルデザインを考える上では避けては通れない「著作権・肖像権」。簡単ですがここまで見てきました。今度のライブのために推しグッズを作りたい!という方でもデザインに困ることなく、オリジナルグッズを作ることができるのではないかなと思います。推しグッズを作りたい!学校のクラスや会社のチーム、お店でお揃いのオリジナルTシャツを作りたい!仲のいい友達とオリジナルトートバッグやオリジナルステッカーを作りたい!AirPriではそんな皆さんを応援しています!
その時に、ここに書かれている著作権のことも頭の片隅に置いておきながら製作を進めていただけると嬉しいです。
7. ※AirPriでオリジナルグッズを作ってみよう!
AirPriでは、スマホでの直感的な操作で、カンタンにオリジナルグッズを作成することができます。AirPriで作れるオリジナルグッズは、 Tシャツ、 トートバッグ、 タトゥーシール、 ポリ袋 など多数!下の各タブからAirPriのグッズ紹介ページに行くことができます。気になる方はどうぞ!